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「有田焼」のセイコー腕時計

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今月発売されたセイコー腕時計の有田焼ダイヤルモデル。

自動巻き+手巻き式。

 

文字盤に日本の優れた伝統工芸を取り入れているプレサージュブランドですが、

今回、有田焼が採用されています。

 

売り場に多種類の腕時計が並ぶ中、すぐ目にとまりました!

 

磁器ならではの白色と艶、上品な光沢、独特のこの質感(^^)

 

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この有田焼の文字盤、焼成後円形にカットするのではなく、型を使った鋳込みによる成型での製造とのことです。

 

陶土は焼くと全体的に縮むのですが、収縮具合に関係する生地の質や水分率、焼成温度、工程など、すべて計算し尽された上での、この仕上がり!

しかもこの多針モデルはドーム型にカーブした面に2つの窪みがあります。

 

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焼成後、真円の出来上がりサイズに完成させる技術!

その精度はミリより小さい10ミクロン単位だそうです。

 

すごいですね!(^^)!

 

いろんな角度から~見入ってしまいます。

 

売り場では、白色でもより青みが強いもの(釉薬による)を比較して選ばせてもらいました。

オリジナルの豆皿も付いてきて(^^) うれしいです❢

 

手作業なので微妙に違いがあるのも個性(^^) 面白いですね。

 

腕に付けてみたり、飾ってみたり(^-^)

 

 

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セイコードリームスクエアでは、制作工程の文字盤の展示もあり、焼成による収縮の変化も一目瞭然。

 

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制作の様子がスクリーンでも流れています。

 

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この有田焼ダイヤルを作成したのは「青花」「青花匠」ブランドで有名な窯元「しん窯」です。

 

佐賀県窯業技術センターの技術支援を受け、出来上がった世界最強度の磁器素材の文字盤。

このダイヤルベースに針などの精密な機械などが加わり完成されていく・・・

いろいろな人が関わっているのです。と、しん窯の橋口博之氏。

 

ダイヤルのカーブ具合もこだわりとのこと。光の反射などによる光沢の加減など・・・

完成にいたるまでの失敗など、苦労話は尽きないそうです。

 

大事に使いながら、伝え繋いでいきたい、この有田焼の腕時計です(^^)

 

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江戸時代に始まり、400年を超えて技術が受け継がれてきている有田焼。近くの伊万里の港から荷積みされ、船で運ばれたことから「伊万里」などと呼ばれました。

 

江戸時代に有田とその周辺でつくられた磁器を「古伊万里」と呼ばれています。

 

日本国内から愛されてきたのは勿論のこと、江戸期はるかヨーロッパからの厳しい注文にも応じ成長し続け、引き継ぎ、今につながっています・・・

 

令和の時代においても新たなものが求められ、情熱をもって挑戦し、見事に成し遂げているのですね!

 

今後の発展も期待しています。楽しみですね(^-^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チーズフォンデュを古伊万里で

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

平成最後の年明け。次の新元号は何になるでしょう?

そんなことも楽しみにしつつ。。。今年のお正月メニューはチーズフォンデュ❢

新年のお祝いを古伊万里でより華やかにできたらと(*^▽^*)

江戸の染付みじん唐草文様の長角皿でフォンデュ鍋を囲んでみました。

 

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小さめの一口サイズにカットしたフランスパンは、高台付きのお皿や盃洗に盛り付けて。

 

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使用した器は、こちら ⇓  幕末の染付みじん唐草菖蒲文皿 。

 

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盃洗 ⇓

酒宴で盃を洗いすすぐ器としてこちらも幕末につくられたものです。

今回はパンが盛られました(*^▽^*)

 

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高さがあるので具材が取りやすく、また並んだ器に高低差の変化も加わって、テーブルコーディネート術がアップしたような気分に・・・(#^^#)

 

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チーズフォンデュの具材は冷めていても大丈夫。前もって盛り付けができるので、大勢でのパーティーにはもってこいのメニューだと思います。もちろん少人数でもオシャレに美味しく。

 

チーズはグリュイエールとエメンタールを2:1の割合で。ナツメグ少々。

具材は小さめにした方が食べやすいです。

 

幼い子ども達🐤も、うつわを大事に扱っていましたよ(=^・^=)

 

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氷頭なますは、なます皿に。

(古くから酢漬けのなます料理を盛る器として使われていたことから、なます皿という名が付いたということです)

 

染付の藍色が料理を美しく見せてくれます。

 

和洋折衷のメニューで蛸唐草文やみじん唐草文を十分に楽しみました。

 

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明治の色絵皿や現代の有田焼も大活躍でした!(^^)!

 

デザートはチョコレートフォンデュ♡

 

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チビッ子たちの笑顔が嬉しい~(*^▽^*)

 

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大人のデザートはアフォガート♡

江戸期のそば猪口との相性も抜群です(*^▽^*)

 

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皆様のところにたくさんの「福」が来ますように!!!

心よりお祈りしております(^-^)

 

 

 

 

 

 

「潜伏キリシタン」世界遺産決定

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録が正式に決定しました!

待ち望んでいた嬉しいニュースです(^-^)

 

「隠れ(カクレ、かくれ)キリシタン」ではなくて「潜伏キリシタン」?

 

従来「隠れキリシタン」と総称していましたが、現在では二つの名称で使い分けされていますね。

「潜伏キリシタン」はキリスト教の禁教期に仏教徒などに見せかけてひそかに信仰を続けた人々のこと、一方「隠れキリシタン」は明治に入り禁教が解けた後もカトリックに戻らず潜伏期の信仰形態を維持した人々、とされているようです。

 

 

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大浦天主堂(長崎市)

 

現存する日本最古の教会。潜伏キリシタンが信仰を告白し、潜伏期の終わりとされる場所。

 

 

幕府による禁教令と約250年続いた潜伏期の中で独自の信仰形態を生み出した歴史がテーマとして高く評価され決定した、長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産。

 

弾圧に耐え信仰を守り抜いたという事実、漁村など土地の習俗などにも影響され、日本の伝統的な宗教と共生しながら本来のカトリックとは異なる信仰文化が形成されていった経緯など、知れば知るほど心打たれるものがあります。

 

16(2客)染付竹筍阿蘭陀人クルス文猪口 口径5.7cm 高さ4.2cm PB050659 (2)

江戸後期の古伊万里、蕎麦猪口。

つばの広いハットとマントを身につけた人物と地面からニョキニョキと顔を出すタケノコの絵柄。

 

お気づきでしょうか・・・なんと十字架のようなものが!しかも胸の部分に!右のものは白抜きではっきりと浮かび上がっています。左の方はややにじんでいますが胸の十字架に手を当てているようにも・・・?

 

古伊万里の産地は現在の佐賀県有田とその周辺、長崎県波佐見など。当時陶工たちの中にも多くの潜伏キリシタンがいただろうといわれています。

 

ひそかに描いていたのでは・・・?とも十分に想像できるのではないでしょうか。

 

24(2枚)染付芙蓉手菊牡丹皿(クルス皿)1780~1840年代 口径17cm P8020178

こちらは江戸後期~幕末のもの。花々の間を虫?鳥?が飛んでいるように見せかけて、実はこれも十字架?

クルス皿と呼ばれています。

 

 

 

95 染付花クルス文隅切方形皿1820~60年代 口径35.2cm高さ6cm PB070776

見込みにクルス文?周囲の花などの模様に同化させているのでしょうか。

江戸後期~幕末。

 

 

45染付阿蘭陀人文八角皿 1800~1840年代 口径19.7cm PB050671

十字架?にも見て取れるデザインに西洋人の図柄。幾何学的な文様の中に小さいクルスのようなものがぎっしり。

江戸後期~幕末。

 

 

キリスト教禁制の中、ひそかに祈りをささげ、一心に描かれたクルス文様・・・

 

あれこれ思いを巡らせてみると~感慨深い思いがします(^’^)

 

歴史を物語る、それぞれの古伊万里の作品。

 

なんとも神秘的ではないでしょうか。

古伊万里の器でお正月

明けましておめでとうございます。

皆様にとって幸多き一年になりますように。

 

毎年恒例の親戚の集まり。大人9人+おチビちゃん2人でにぎやかな年明けとなりました(*^_^*)

 

年末年始も非常にバッタバタでありまして(-_-;)

おもてなしの料理は、ほとんど買ってきたものや出前で(^-^;

そんな時も染付や色絵の器たちが大活躍。と~っても美味しくみせてくれます!

 

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江戸の古伊万里から明治のもの、昭和に入ってからのもの、そして現代の有田焼。自分でデザイン絵付けしたお皿も。

 

白磁に映える鮮やかな藍色。和、洋、中、どんな料理にもマッチします。

 

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猛スピードで盛り付け、写真撮影(^^;)

次回は時間に余裕持って、もっと器の魅力が伝わるような素敵なテーブルコーディネートと綺麗な写真を目標に!

(箱根駅伝に釘付けになってしまい、買い物や準備が遅れてしまったのです。。。)

 

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こちらは氷頭なます。皆の好物なのでお正月には欠かせません。

鮭の頭を見つけると買い占めてしまいます!(^^)!

明治の色絵皿にもぴったり。

 

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裏面は、お正月にも相応しいおめでたい七宝結文。

 

 

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美しい器に盛りつけると料理が不思議とグ~ンと引き立ちますよね。

 

質の良いものは、やはり使いやすいので出番も多く長持ちもします。

この料理にはあのお皿が合うかな?とか、集まる人数や場面によって選んだりするのも楽しみのひとつ。

 

料理の腕を磨くとなお良いですね~(#^^#)

 

 

 

 

創立記念「古伊万里展」

 

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株式会社ADEKA創立100周年を祝し、本社ロビー横に当社の古伊万里を出張展示(2か月間)いたしました。

 

ADEKAは化学品と食品の素材メーカーとして、国内外で事業展開している東証一部上場企業です。

ちなみに、現在放送中のドラマ「釣りバカ日誌Season2」に撮影協力されていて、本社がスーさんの会社、鈴木建設の社屋ビルとして登場しています(^^)

 

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古伊万里の絵柄は慶事にもふさわしい、おめでたい文様で溢れています。

器のひとつひとつに、江戸時代の職人さんの日々のしあわせを願う想いが込められているのです。それも感じ取っていただこうと、作品に描かれた吉祥文様の意味や由来を表示してみました。

また、キャプションは作品それぞれの持ち味が伝わるようなるべく簡潔に、そして身近な食器として使うことを連想しやすいように、ということを心がけて作りました。

 

ひとつでも印象に残った古伊万里があれば、嬉しく思います(^-^)

 

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当社の特徴とする異国趣味の絵柄も愉快で楽しいものが多く、アニメを見るような感覚で鑑賞していただけたらと思います。遊び心があり、時代を超えたモダンさもまた魅力なのです。

 

新年度を迎え、新入社員や就活生なども多い時期でしたが、若い世代の方々にも江戸の器「古伊万里」というものを知っていただけたでしょうか(*^-^*)

 

とりどりの形と多彩な文様に秘められた物語を持つ古伊万里。

 

当社は出張して古伊万里を展示し、魅力をお届けいたします。

 

古伊万里に馴染みがない方々にも気軽に楽しんでいただけるような展示を工夫していきたいと思っています。

 

古伊万里の絵柄は縁起物の宝庫

2月末。まだまだ受験シーズン真っ只中!という受験生も多いかと思います。スーパーなどにも合格のげん担ぎ商品がたくさん並んでいますね。縁起のよいものを意識することは誰でもあることではないでしょうか。何かにつけてあやかったり、特に日本人はそういう傾向が強いようですね(*^_^*)

古伊万里の絵柄もほとんど!といえるほど縁起物で溢れています。皆が幸せを願うのは昔から一緒なのですね。

古伊万里にみる吉祥文様をいくつかご紹介します。

まずは植物から。

 

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茄子 「成す」に通じることから縁起物とされています。なすの花は無駄花が無く、実がよくなることから「子孫繁栄」の意味も持ちます。

 

 

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唐草 古伊万里の中でも代表的文様。つるがからんでどこまでも伸びていくことから「生命力」の象徴とされています。

松竹梅 これも大変多くみる文様。松は常緑で「不老長寿」、竹は真っすぐに育ち、成長が早く「繁栄」、梅は初春に花を咲かせる「生命力」の象徴。

左下の窓絵には、宝珠、七宝、巻物などの宝尽くし文様。

 

こちらも筍。

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瓢箪(形) ひょうたんは形が8(八)で末広がり。種が多く、ものに絡みつくことから「子孫繁栄」「商売繁盛」。六つの瓢箪で「無病(六瓢)息災」

描かれているのは唐草文丸文(無限をあらわす)に幾何学文

 

 

そして、動物。

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鯉の滝登り 鯉は激流の滝をのぼり、やがては大きな龍に化身するという伝説から「立身出世」「成功」の意味があります。

 

 

動物と植物の組み合わせも。

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亀 鶴は千年亀は万年で「長寿」の象徴。古代中国で仙人が住む蓬莱山の使いとされ、知恵と長寿のシンボルでした。しかし現代の中国では意味合いがだいぶ違うようです。

牡丹 豪華な大輪の花を咲かせることから、中国では花の王者と讃えられ「富貴」の象徴とされていました。

 

 

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獅子に牡丹 唐獅子は「百獣の王」牡丹は「百花の王」と呼ばれ、取り合わせのよいものとされています。

玉取獅子 雄雌の獅子が戯れてできた繍球から児獅子が生まれる、とされたことから「子孫繁栄」の意味があります。

 

 

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獅子麒麟 麒麟は首の長いキリンではなく、想像上の動物。古来中国では「仁」の瑞獣とされ、「平和」のシンボル。麒はオス、麟はメス。

 

 

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竹に虎  虎でも群れをなしている象には勝てず、竹藪に逃げるといわれました。巨体の象が入れない竹藪は虎には安住の地であることから、良い組み合わせとされています。

 

 

こちらは青海波の文様。

広い海に穏やかな波が無限に広がる「未来永劫」の願い、また波が扇形で末広がりにも通じ「繁栄」の意味も持ちます。

 

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他にも古伊万里に描かれている縁起物の文様はたくさんあります。富士山、帆船、稲穂、鶴、兎、蝙蝠、鳳凰、・・・

暮らしの中で欠かせない食器ということもあり、江戸時代の職人さんたちも幸せを願う想いを文様に込めていたのでしょう。

また絵柄が美しく映えるのは白く滑らかな素地の磁器ならではですね。

絵柄の意味、縁起物の由来も知ると、また楽しみ方に深みが増すのではないでしょうか(^-^)

「アリタノカタチ」東京ミッドタウン

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有田焼400年事業イベント、今回は東京ミッドタウンにて。

 

最初からお目当ての人、たまたま通りかかった人、家族連れもいて賑やかでした。焼きもの好きな方多いですね~。じわじわきてます!嬉しいことです!(^^)!

 

 

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横からも自由に出入りできるのですが、こちらの正面から入ると目の前にどーんと、初期伊万里の大鉢。続いて通路を挟んだ中央スペースに、古伊万里の展示がずらり(販売もあり)。日本では有田の地で始まった磁器生産、現代につながる歴史が感じられます。

一点一点すごいものばかりで楽しませていただきました(^^)

窯元ごとのブースはそれぞれとても個性豊かでこれも面白いです。

現地から来て出品している窯元の作り手さんも、お客さんとの会話や反応からアイディアが生まれるということで、刺激になる良い機会のようです。昨年は無かった商品もあったり!

日々新しいものをつくりだしていますね。

 

 

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そして会場の作品が並ぶテーブルの土台にも注目!

それは磁器の量産にはなくてはならない石膏の型を再現したものでした。石膏型が積み上げられたその様子、産地の窯元では日常の見慣れた風景。真っ白な壁のようで会場全体がブルー&ホワイト(英語では磁器の魅力を白い素地に青色の染付が美しく映えるという象徴的な意味で定着)、明るく現代的な印象だったのはこのような装飾の効果もあったのですね。

 

実物の石膏型

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積み重なっている石膏型

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ろくろ成形、絵付けなどの実演・体験コーナーもあり。

濃みを含んだ筆によってスルスル~っと滑るように正確に狂いなく描かれていきます。

さすがですね!熟練の伝統工芸士さんの技!

小さなお子様も興味深いのでしょうね。  腕に触れてしまい、筆先が乱れたりしないかというくらい間近で見入っていましたよ(*^_^*)

 

実は先日、初めて絵付け教室で体験し、絵付けの難しさを実感したばかりでした。

有田焼しん窯青花40周年記念、現在開催中のしん窯青花・青花匠展にて。

アートコンプレックスナチュア(千代田区六番町)、10月23日まで。

 

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 日本絵本賞大賞受賞のあきびんご先生の「ネコの絵皿」もいっぱい!

絵付けの先生は伝統工芸士、橋口博之氏。 手順や注意点などの説明の後スタート。

自由に、描きたいように。商品を参考に、技も教えていただけます。

呉須(顔料)は、濃・薄の2種類。

 

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鉛筆で下描き後、筆で描いていくのですが、うつわの曲面は特に、思うように描けません(-_-;) 。線の太さを一定に保つのも難しい!絵の構図も用意はしていたものの、描き終え眺めている時点ですでにいろいろ学んだ事あり(*_*;

これも体験してみないとわからないことでした。

無心になって自分が描いた、自分だけのカレー皿&サラダ皿 ♡ 学生の頃の美術の授業のような感覚で、有意義で楽しい時間でした。

 

重ね塗りしすぎたかも?(3回位までにしないと失敗するそう)、描いたままに出来上がるということですが・・・?どんな姿で戻ってくるでしょう(*^-^*)

最後の仕上がりの恐怖(笑)も含め、3週間後のの焼きあがりがとても楽しみです。

 

今回の「アリタノカタチ」では、その絵付けの指導をされた橋口氏と、輪島塗の桐本泰一氏(輪島キリモト)のコラボ商品も!!

 

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有田焼(佐賀県)と輪島塗(石川県)の持ち味を生かし融合してできた、ナイフ・フォークも使える漆のうつわ。有田の磁器に輪島地の粉と漆を幾重にも塗り、つくられているということです。

 

画期的です!他の分野の伝統工芸士との産地間コラボ作品、他にもありましたよ。

 

日本の伝統工芸の力と繋がり、凄い!

奥が深いですね(*^-^*)

 

有田焼と伊万里焼と古伊万里

今年2016年は有田焼創業400年ということもあって、「有田焼」「伊万里焼」を見聞きする機会が多い近頃です。テレビ、雑誌などでの特集も多く、関連のイベントも全国各地で行われていますね。どこも大勢の人で賑わっています。デパ地下で有田焼カレーの売り場もあったり。(レトルトもスパイシーで美味しい!)やきものに特別興味がなかった・・・という方にも大分浸透してきている印象があります。

 

そこで・・・少し紛らわしいと思われるのが、有田焼、伊万里焼の違いではないでしょうか。

 

骨董好きな方は当時のものを「伊万里」と呼び、伊万里焼という言い方はあまりしませんね。「伊万里」だけど有田焼?・・・古伊万里とは?どういうこと?はっきりご存じない方もいらっしゃるかと思います。

 

江戸時代初期、それまで磁器生産がなかった日本で、朝鮮から渡ってきた陶工による技術で日本初の磁器が現在の佐賀県有田で生まれました。そして有田及びその周辺(波佐見、三河内など)で焼かれた磁器が近くの伊万里津(津とは港の意味)から船で出荷されたため、消費地からは伊万里からやって来たやきもの、ということで「伊万里」、「伊万里焼」と呼ばれたのです。

つまり江戸時代の伊万里焼とは有田を中心とする肥前一帯でつくられ、伊万里津から運ばれた磁器(有田焼の他、波佐見焼、三川内焼、志田焼など)を総称していうのです。

 

現在はつくられる産地名で、〇〇焼と呼んでいます。有田でつくられるものが「有田焼」、伊万里のものが「伊万里焼」、波佐見のものが「波佐見焼」、などといったように。

 

そして江戸時代に焼かれた肥前磁器を、現代の伊万里焼と区別するために「古伊万里」と、一般的には呼び親しまれているというわけです。(「古伊万里」については江戸時代中期の金襴手様式のみという定義もあります。)

 

江戸時代に焼かれて伊万里の港から運ばれた伊万里焼の多くは有田焼だったのですね。

 

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こちらがかつて「伊万里焼」の積み出し港として繁栄した一帯。

伊万里津大橋の欄干には古伊万里の再現の大壺が飾られています。(川上側)

 

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こちらは川下側。

今は当時のそのような面影はあまり感じませんが、中心市街地に行くと白壁土蔵(陶器倉庫)造りの街並みもあり、当時の風情を伝えています。

 

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ここはかつて鍋島藩の御用窯があった大川内山地区。一般への販売用ではなく献上や贈答品としての高品位のやきもの「鍋島」が焼かれていました。

目的の違う藩窯は有田から山に囲まれた、こちら大川内山に移され、技術などが漏れないよう徹底した管理のもとで鍋島焼はつくられていたのです。

 

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鍋島藩窯橋の欄干には手描きの陶板と無数の陶片が施されています。

 

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関所や役所が設けられ、陶工たちの行動は厳しい管理体制にあったといいます。今もどこか秘窯の里のムードが残っています。

 

有田焼、伊万里焼、鍋島焼、古伊万里・・・。優れた技術、伝統を受け継ぎ、現代に続いています。そしてさらに革新を繰り返し、平成の波に乗っています。

この奥深い魅力については、江戸から続く日本磁器の400年の歴史なくしては語れませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

400年有田の魅力展

 

行ってきました!池袋・東武で開催中の有田展。初日、そして昨日、2度目。(*^_^*)

8Fフロアは予想以上の多くの人々で溢れていました。

 

ここ最近、有田焼は創業400年ということでテレビなどで見る機会も多いですよね。嬉しいことに認知度、関心度が確実に高くなってきていると感じています。

 

400年続いてきた歴史が分かる古伊万里や年表の展示とトークによる解説あり、現代の重要無形文化財保持者(人間国宝)をはじめとする名匠の作品あり、ろくろ成形と絵付けの実演あり、有田焼の器での生演奏あり、フードスタイリストによる豆皿の使い方レクチャーあり・・・と、バラエティに富んだイベント内容で、まさに有田の魅力展でした♡

 

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左から、色絵柘榴牡丹陽刻風俗図瓶(明治期)、色絵窓絵花鳥文皿(1840~1860代)、色絵山水文皿(1690~1720年代)《以上、いずれも有田陶磁美術館蔵》、色絵花籠文八角大壺(1700~1730年代)《佐賀県立九州陶磁文化館蔵》

 

江戸時代に、古伊万里は多く輸出されました。ヨーロッパからの注文でつくられ海を渡った食器のカップ&ソーサーが現地では燈台となったり、碗をふたつ貼り合わせたものや壺などが金属で加飾されて、シャンデリアにと変身したりしました。そのように本来の用途目的とは違う姿になって里帰りした品も多いと説明する佐賀県立九州陶磁文化館の鈴田館長。これは実際制作した陶工たちが見たら驚くことでしょう。展示されているひとつひとつの古伊万里について大変分かりやすい解説でした。

 

そして歴史民俗資料館の尾崎館長は、有田焼の陶祖とされる「李参平」に関することから始まり、有田の歴史背景を中心に解説され、書籍などではなかなか知ることもできない内容もあり、多くの人が興味深く聞き入っていました。

 

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陶土の塊が熟練の伝統工芸士の手により、みるみるうちに美しい姿へと変わっていきます。

 

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豆皿を選ぶお客さんの眼差しも真剣です。

 

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会場内では「エリーゼのために」や「大きな古時計」などの綺麗な音色 ♪~。

有田焼の器での演奏「碗琴」です。

 

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有田の窯元に生まれ、有田焼の広報などに長く携わり、碗琴を国内外で演奏して14年になるという筒井氏。

現在は31個の器。ぴったり合った音が出る器を揃えるのに十数年かかったそうです。

音階ごとのお碗の裏を見せてくださり、窯元名の説明もありました。

横笛やオカリナの演奏も。もちろんすべて有田焼。

 

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有田焼で奏でるメロディ ♪  、とても良かったです。

これは新しい発見でもありました(^^)

 

有田の魅力展は、来月からも大阪や広島などでも開催されます。有田町でも多くのイベントが予定されているようです。

 

1616年に有田で日本磁器がうまれ、400年。現代の平成の有田焼はこれからまた401年へと繋がっていきます。

これからも注目ですね!(^^)!

 

 

有田陶器市、そして肥前窯業圏「日本遺産」認定

このたび平成28年熊本地震により被害にあわれた皆様に謹んでお見舞い申し上げます。一刻も早い復旧・復興を心より願っております。

 

地震の影響が懸念されていましたが、毎年ゴールデンウィークの恒例イベント、有田陶器市(有田商工会議所主催)は無事開催されました。

今年2016年は有田焼創業400年という記念の年ということもあり、町中大勢の人であふれていました。期間中の人出は全国からなんと120万人だったということです。九州はもちろん、関西や遠くは北海道からも。関東から訪れた人の多さも驚くほどでした。

 

案内所にはいくつもの募金箱が置かれ、熊本や大分の安全を祈り、被災地復興の想いもこめられていました。

 

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明治時代に始まり今年で113回目というこの陶器市。JR有田駅~上有田までの4kmの通りには500以上の店が並び、日中は歩行者専用となっていました。

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↓ こちらは有田陶磁の里プラザ(有田焼卸団地)

閉店後に撮った写真のため、人々でにぎやかな雰囲気が伝えられず(-_-;)

豊富な食器類を目の前に「どう使おうかなぁ~」などと見て回っているとついつい写真も撮り忘れてしまいます・・・

 

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中央の通りのテント内に美味しい物産品や雑貨などの出店が並び、両サイドには24店舗、店の外にもワゴンやかごに大量のやきもの類。

ここには800台収容の無料駐車場があります。多くの人が無料シャトルバスを利用し、メーンの有田駅周辺を往復していました。

 

↓ 普段の様子。世界最大の有田焼のショッピングモール、ゆっくり買い物を楽しむことができます。

 

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そして、つい先日の4月末には文化庁より「日本のふるさと 肥前」が日本遺産に認定されるという嬉しいニュースがありました。

佐賀県・長崎県にまたがる8市町(有田町、伊万里市、波佐見町など)で構成され、窯跡や史跡、景観など文化財の他、独自の文化がつくられてきた歴史的ストーリーもポイントだったようです。

 

そして30年も前に先駆けて、有田の町内だけでなく、波佐見、三川内などと広域提携をとって地域ブランドのPRにと、「有田陶交会」会長として取り組まれていたのが、有田焼・青花ブランドで人気の、窯元「しん窯」社長の梶原茂弘さんです。

窯元の名の由来ですが、かつて有田町黒牟田にあった共同窯などでは対応しきれず、新しい登り窯を増築して、新窯、「しん窯」となったそうです。

今年2016年は、有田で日本磁器誕生・400年、しん窯築窯200年という節目の記念の年に、日本遺産認定!大変喜ばしいことです!(^^)!

 

地域一帯の今後のさらなる発展に期待大ですね!

 

↓こちらが、しん窯さん。

 

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現在は工房内のガス窯で焼いていて、温度管理はコンピュータ。

↓ こちらの登り窯は今でも陶芸教室などで活躍しているそうです。

燃料の薪は油分が多いアカマツで、温度を上げるのに最適とのこと。ひとつの炉内にご飯茶碗だと300個も入るそうです。

 

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そして敷地内の山の斜面、かつて共同の巨大な登り窯があった跡。段数、広さからして相当な大きさであったことが分かります。弊社所有の古伊万里の中にも、こちらにあった巨大窯で焼かれたものも数多くあることでしょう。

 

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工房内見学もさせていただきました。

開放されているので誰でも見学できます。分かりやすい解説のもと、制作工程、絵付けの様子など間近で見ることができ、どんな質問にも丁寧に教えてくださいます。

 

ひとつのうつわが焼き上がり、商品となるまでの手間や職人さんの思いは、こうして見せていただきお話しを聞いてみないとなかなか知ることはできませんよね。とても楽しかったです(^-^) お客さんの絵付けなどの好みもあり、要望を取り入れ注文も受けているそうです。

 

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しん窯さんのお皿、小鉢、マグカップなど毎日使用しているのですが、異人さんなどの可愛い絵柄と形、そして口に触れた時のフィット感(^-^) 。この感触の秘密は独自に開発した釉薬にもあるようですよ。

使うほどに質の良さを実感します。

 

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屋外にもたくさんの掘り出しものが。

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「ひとつひとつ揃えていきたいわね~」などの声とともに、会計のレジも途切れないほどのお客さん。盛り付けた料理を引き立たせてくれるのも青花ブランドの魅力ですよね ♪

 

カフェでいただいたコーヒーにプリンやケーキセットの、なんて美味しいこと!

可愛いおしゃれなうつわに盛り付けも美しく、味も本格的で、最高!!幸せな気分になります(*^_^*)

 

やはりうつわって大事ですよね~。

 

↓ しん窯さんの食器のほんの一部。

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絵柄も形ももっと多種類あり、握りやすいマグカップや、すくい易いお皿などユニバーサルデザインの食器も手がけていらっしゃいます。

 

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好天にも恵まれ、山の斜面の登り窯やレンガ造りの煙突がたち並ぶ景色の中で、心地いい空気を吸いながらやきもの里の風情を満喫することができました(*^^)v

 

有田にはたくさんの観光スポットがありますが、しん窯さんの工房見学もぜひお勧めします(*^_^*)

 

江戸初期、有田で磁器の原料となる陶石が発見され誕生した日本初の磁器。それは海外にも輸出され、王侯貴族たちをも魅了し、ヨーロッパ磁器に大きな影響を与えた肥前磁器。

400年の伝統と技術を受け継ぎながら、それぞれの窯元で現代の新たなものをつくり、次の100年に向けて進化を続けています。

 

佐賀・長崎にまたがる肥前窯業圏が日本遺産に認定されたいま、もっともっと多くの方々に知ってもらい、江戸から続く歴史の流れにも触れながら、毎日の暮らしの中で使っていただきたいと思います!

 

 

 

 

有田のひなまつり

本日3月3日は桃の節句・ひな祭り♪

ひな祭りといえば、「有田雛(ひいな)のやきものまつり」でしょう(*^^)v

現在、日本磁器発祥の地・有田では毎年恒例のこの行事が開催中で、磁器製のひな人形が町を彩っています✨

 

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こちらは弊社も大変お世話になっているヤマトク(山徳)様の高さ3m近い七段飾り。写真では伝わりにくいかもしれませんが、とにかく人形が大きい!美しい!迫力!(人形一体の高さ30cm近くあります)

もちろん弓矢などの小物まですべて有田焼で、磁器製では世界最大のひな人形とのことです。

絵柄違いで2セットあり、もう1セットは横に並べて飾られているので、間近で人形の姿格好や繊細な色使い、顔の表情までも見ることができます。

 

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着物の布の質感もきれいに表現されています。人形は食器などと違い不定形なので、焼いた際にヘタリなどが生じそうな気もしますが歪みもありません。絵付けも複雑な凹凸の素地にもかかわらず、筆使いに乱れもありません。細かな柄がぎっしり精密に描かれていて、それはそれは素晴らしいものでした!

 

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呉須で下絵付をし、施釉後約1300℃で焼成、それから上絵付(赤・黄・緑・水色・ピンクなど)をして約800℃で、金・銀はさらに低い400℃で焼成し、それぞれの色が綺麗に出るように使用する色の数によっては10回以上も窯に入るそうですよ。

 

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一体でパーツが約10個になるものもあり、それぞれを素地が半乾きの柔らかいうちに接着するとのこと。

驚くことに絵付けしたのは熟練の伝統工芸士1人だけなのだそう。数人でとりかかると絵に違いが出てしまうそうです。

 

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光を通す泥しょう(陶土に水と水ガラスを加えた陶土)でつくっているため、ぼんぼりの明かりも柔らかに透けて灯しています。

 

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製作には6年かかったそうです。粘土での原型作り、成型時を考慮してのパーツ化、型取り、石膏原型作り、鋳込型作り、鋳込み成形、生地の各パーツの接着、水拭き仕上げ、素焼き、本焼き試焼、下絵付、本焼成、上絵付、そしてさらに色を加えてはまた上絵窯で焼く、この描いては焼くという作業を何度も繰り返すそうです。

さすが、世界に誇る有田焼!熟練した技術!

これはぜひ多くの方に実物を見ていただきたいです。

 

そして、ついでに武者人形も(^^)

 

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有田館や有田陶磁の里プラザ(有田焼卸団地)など、他の各所でも個性的な磁器製ひな人形が展示されていて、3月21日まで楽しむことができます(*^_^*)

ぜひこの華麗な有田焼のひな人形を見に、マップ片手に出かけてみてはいかがでしょうか。

 

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有田陶磁の里プラザ(南館)の白磁の七段飾り ⇩

 

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周年イベント、創立記念行事に美術品展示を。

創立〇〇周年という節目を今年来年に迎えるにあたり、周年記念イベントの企画や準備をされている企業・団体様も多いと思います。

周年イベントで美術品の展示スペースを設けてみてはいかがでしょうか。

弊社は世界的にも芸術性が高く評価されている「古伊万里」を、出張して美術館のように展示いたします。

 

なんと今年2016年は、日本で磁器が誕生してちょうど400年という記念すべき年です!!誰もが日常的に使っている白くて絵柄や形デザインも様々な食器などの磁器、その日本磁器の歴史をひも解くと始まりにあるのが実は「古伊万里」なのです。

「古伊万里」とは一般的に有田を中心に肥前一帯で焼かれた江戸時代の磁器を呼んでいて、それは皿や鉢などの食器がほとんどで、老若男女皆が親しめるものです。

 

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これは江戸後期~幕末に焼かれたみじん唐草文様の蓋物もので、菓子器として使われていたようです。200年近く大切に伝世されてきたのですね。まったく古さを感じさせません。他にも弊社は異国風の面白みのある絵柄の伊万里焼や和洋骨董品も多数所有しています。古伊万里を魅力的に引きだたせる展示も可能です。

 

企業様は周年記念として創業から歴史の流れを振り返り、懐かしい思い出の品々を展示をすることもあろうかと思います。江戸、明治~昭和にかけての美しい伊万里焼も展示することにより、グレード感もより高くなることでしょう。展示会場やご予算などを伺い、展示品や展示方法など提案させていただきます。

 

社内、社外の方々に身近な食器としての伊万里焼を鑑賞していただき、自社の存在意義をアピールするチャンスとして「古伊万里」の展示、検討されてみてはいかがでしょうか。

 

弊社は美意識溢れる美術品「古伊万里」の魅力をたくさんの方に知っていただきたいと思っています(*^-^*)

 

「ゆく年くる年」 有田から生中継

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

2016年に突入しましたね。今年2016年は日本磁器誕生・有田焼創業400年という記念すべき節目の年です。年明け早々、NHK「ゆく年くる年」で有田の泉山磁石場で行われたセレモニーの様子が中継されました。泉山磁石場は1616(元和9)年に日本で初めて磁器の原料が発見された採掘場で、国指定史跡に指定されています。

 

P8190501 (2)          佐賀・有田 泉山磁石場

 

今年の「有田碗灯」(大晦日の晩に陶山神社で有田焼の碗の灯明が並ぶ催し)は泉山磁石場にてライトアップとともに創業400年にちなんで4000個が並び灯され、喜ばしい新たな時代の幕開けとなりました。

私たちの暮らしの中で欠かせない食器としての磁器、そのルーツは「古伊万里」にあります。江戸時代、有田及びその周辺で焼かれた磁器は近くの伊万里の港から全国へ出荷されたことから伊万里焼と呼ばれました。有田における磁器生産は脈々と受け継がれ現在も革新を続けていますが、江戸時代に焼かれた製品を弊社では「古伊万里」と総称して用いています。

 

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江戸時代のやきものとは思えない、新鮮な気品溢れるもの、奇抜なデザインなど絵柄も豊富で、実に楽しいものです。作品ひとつひとつに温かみや魅力があり、当時の陶工の純真無垢の魂が感じられるようです。

また藍色の染付はどんな料理にも合い、美味しそうに引き立たせてくれる優品です。

長年の伝統ある有田焼、骨董美術品「古伊万里」の魅力をより多くの方々に発信したく、弊社は「古伊万里出張美術館」として出張レンタルいたします。有田でうまれた磁器は創業400年ということで注目もされています。若い世代にも興味を持ってもらえるような作品、展示も企画しています。

芸術鑑賞を通して、まちおこし、地域の活性化などお役にたてればと思っております。

また会社のイメージアップに、周年祝賀行事や創立記念イベントなどのひとつにいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

「十三代今右衛門」 × 「十四代柿右衛門」展

今は亡き十三代今右衛門と十四代柿右衛門の合同展、日本橋三越本店に行ってきました。

同じ有田焼にありながら、作風が全く異なる両家の作品が一同に展示というのは初めての試みとのこと、来年2016年には有田焼創業(日本磁器誕生)400年を迎える記念ということもあり、この時代いまだからこその開催の実現というような気もします。

 

今柿三越

 

初日の26日には当代の十四代今右衛門と十五代柿右衛門のトークイベントが佐賀県立九州陶磁文化館の鈴田由紀夫館長の進行で行われました。貴重なトークショーということで大変な賑わいで、20~30代の若い方々の姿もみえ、幅広い年齢層であったことも嬉しく思いました(^^)

 

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【今右衛門展】

 

江戸時代、今泉家は鍋島藩の御用窯「鍋島藩窯」の御用赤絵師として上絵付に携わっていました。鍋島焼は将軍家や幕府への献上、贈答品などとして厳重な管理体制の下で作られ一般には流通しない高級品です。染付の青、赤、黄、緑の基本色をもとに「色鍋島」の技法を継承しながら、十三代はご自身も好んでいた初期伊万里の「吹墨」技法(呉須を吹きかけるため青色)を取り入れ、さらに「薄墨」(薄いグレーの絵の具を吹きかける)、それらを重ねた「吹重ね」を確立し、色絵磁器の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。

 

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当代(十四代)はさらに伝統の色鍋島を引き継ぎ、色絵にプラチナを施し、「墨はじき」「薄墨」により時計草文を雪の結晶のように見立てる作品「色絵薄墨墨はじき時計草文鉢」も手掛け、現代的に発展させています。「まぁきれい!」「万華鏡のようね」など多くの声が聞かれました。思わず驚嘆の声が出てしまうほどの美しさです。

 

十四代も2014年に重要無形文化財保持者に認定されており、陶芸家としては最年少とのことです。

「色絵 薄墨墨はじき柘榴文 蓋付壺」のプラチナのざくろは壺の面の向きにより輝きや反射が変貌し、不思議な世界が広がります。

 

先代の作品の中で特に気になったのは「色絵薄墨更紗文瓢箪形瓶」です。ひょうたん形の瓶にねじりの入り方が何とも絶妙で、それぞれの面の見事なまでの文様の精緻さ!その場に長くとまって見入ってしまいます。

 

先代の父親の「やきもの作りに一番大切なものは、人間性そのもの」の教えを大事に、「江戸期から作り手は後に残そうとして作るのではなく、海外からの求めに応じて技術も発展してきたように、その時求められるものをその都度作っていく、それが繋がりとなっていく」とおっしゃる先生。そうですよね、他の分野でも通じるところがあるのではないでしょうか。

 

ギャラリーでは気軽にお話を伺える雰囲気で初歩的な質問にも熱く語ってくださいました。直々にお話しできる機会はそうはありません。大勢の方と談笑されていました。

 

【柿右衛門展】

 

江戸時代、初代柿右衛門は長崎で中国人により伝え聞いた赤絵の調合法をもとに、赤色を創り出し、色絵磁器の焼成に成功しました。1659年に古伊万里の欧州への本格的な輸出が始まり、大量生産に対応するため分業体制も整い製造技術も頂点までに高まりました。その延宝(1670~81)頃に有田の釜々で作られた製品を「柿右衛門様式」といいます。濁手(佐賀地方の方言で米のとぎ汁をにごしと呼ぶ由来から)という乳白色の素地に映える明るい赤を中心に染付は使わず余白を生かした左右非対称の繊細な文様が特徴で、欧州でも絶大な人気でした。

 

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十四代は2001年に色絵磁器の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されます。襲名前、後、晩年と作風の変化がはっきり表れているように思います。輪郭の線の筆使い、太さ細さが顕著だったのが晩年は細くなったりと、初代の頃の作品に似てきたような印象でした。

中でも「濁手 山つつじ文 鉢」は、特に気に入ってます。友人の中島宏氏(青磁の人間国宝)と長崎へ釣りに行った際に岩壁から持ち帰ったという山つつじを題材にしたとのエピソードも聞いたので、作品の二枝の対面した山つつじが右回りに大きく動きを感じさせる構図から、趣味であった釣りを楽しまれる風景が浮かんでくるようでした。

 

「幼少の頃から跡継ぎは当然のように思ってきた、父親とはじめてきちんと話したのは高校生の頃で、家を継承するように自然にすり込まれてきたのは両親ではなく祖父母からでした」と十五代。濁手の素地に丁寧に描かれた団栗文の今年の新しい作品も印象的でした。今後うみだされていく作品もとても楽しみですね。

 

代々続いている伝統を引き継ぎながら新たな風を吹き入れていく、どんなに大変なことか、なかなか想像もできないものです。

 

先代と面識のあった鈴田館長はその世代の苦悩もご存じのようで、“ 先代が育てた職人さんによって現在は支えられ、そして次の世代は今育てていく職人さんたちによって支えてもらうことになるもの ” だそうです。

 

この展覧会は1月11日まで開催、有田焼の歴史年表や先代が大切にされていたゆかりの品々、題材のデッサンなどの展示もあり、それぞれのギャラリートークも予定されています。

 

素晴らしい作品の数々が一同にずらり展示されているので、作風の変化などもみえてきます。イヤホンによる音声ガイドも端的で分かりやすくて、お勧めです。

 

江戸時代から続く歴史を感じながら、ぜひ鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

自分のお気に入りの一点を探してみるのも楽しみ方のひとつだと思いますよ(*^-^*)

 

会社周年行事、記念イベント担当者さまへ

企画にお困りではありませんか?
弊社は「古伊万里の美術館」形式で出張します。
周年行事や記念イベントのひとつとして計画されてみてはいかがでしょうか。

 

大まかに江戸時代の有田焼を「古伊万里」と呼んでいます。
実は骨董品として堅苦しいものではなく、絵柄模様ひとつでも楽しめます。

「古伊万里」は、誰もが毎日使っている食器(磁器)の始まりにあるもの なのです。

 

 

この向付は、約200年前の江戸後期~幕末のものです。よ~くご覧ください。

鳥の頭の大きさ、顔、羽の形、葉の付き方、数・・・
間違い探しのようですが、同じ形模様のうつわも比べて見ると全く違いますよね。

お子様から大人までご一緒にお楽しみいただけると思います。
イベントなどを通して、地域の活性化、地方創生などにもつながれば光栄です。

 

来年2016年には、佐賀県の有田で日本磁器が誕生して400年を迎えます。

記念すべき喜ばしいこの機会に、ぜひ検討されてはいかがでしょうか。

人間国宝「井上萬二」先生の作陶展とトークショー

はじめまして。

ブログ第1回目は「白磁」の人間国宝、井上萬二先生についてです。

 

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先月21日、玉川高島屋にて開催された井上萬二先生の作陶展とトークショーに行ってきました。
86歳とは思えぬほどお元気な方で(自称68歳(*^^)vだそうです) ユーモアに溢れる1時間でした。

 

有田焼の窯元に生まれ、海軍を志していた時代のことから、窯元を継ぐ決意、
技術の習得のための知恵と知識、窯業そのものの勉強と指導、
アメリカの大学から講師として招かれ勤務し、帰国までのエピソードなど、
これまでの先生の人生が目に見えるようでした。

 

「腹黒いから白いものを作っている」などの冗談で笑いを誘っていましたが、
白いから「白磁」ということではなく、ろくろで白素地を「形」で表現するものだそうです。

 

健全な体力に感謝し、高度な技術と豊かな感性とあきらめない努力、そのような中からあのような素晴らしい数々の作品が完成されるのですね。

 

aaaaaaaa

 

平成の現代の伝統を作っていくためには常に新しい発想が不可欠であり、
長年「月月火水木金金」で働き続けてこられた先生ですが、
今日となっては、 アイディアというものは日課であるウォーキングの中で浮かんだり、旅行したり美しいものを観たり触れたりすることで生まれてくるものとのお話でした。

トークショーの直前もフロアを歩きながらいくつかの案を頭にインプットされたそうで、そのような常日頃の心構えもやはり違うのですね。学ぶべきこと満載でした。

 

現在も重要無形文化財保持者として伝統工芸を伝授すべく、個展は銀座和光で毎年、海外でも近年はポーランド、ニューヨーク、香港などで開かれています。

先生の話を伺った後、作品ひとつひとつから輝きがさらに増して伝わってくるものがあり、ファンが多いのも実感です。

 

純白に輝く「白磁」の花器や壺、淡い桜色や黄色の釉薬も手伝い、アートサロンに放つ美のオーラはかなりのものでした。

 

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これまで古伊万里の染付や色絵にはたくさん親しんできましたが、すっかり萬二先生の「白磁」に魅了された一日になりました。

今後も個展の際には、是非トークショーも開催していただきたいと思っています。

あまり磁器に興味なかった・・・という方にもお勧めできますよ(^^)