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このたび平成28年熊本地震により被害にあわれた皆様に謹んでお見舞い申し上げます。一刻も早い復旧・復興を心より願っております。
地震の影響が懸念されていましたが、毎年ゴールデンウィークの恒例イベント、有田陶器市(有田商工会議所主催)は無事開催されました。
今年2016年は有田焼創業400年という記念の年ということもあり、町中大勢の人であふれていました。期間中の人出は全国からなんと120万人だったということです。九州はもちろん、関西や遠くは北海道からも。関東から訪れた人の多さも驚くほどでした。
案内所にはいくつもの募金箱が置かれ、熊本や大分の安全を祈り、被災地復興の想いもこめられていました。
明治時代に始まり今年で113回目というこの陶器市。JR有田駅~上有田までの4kmの通りには500以上の店が並び、日中は歩行者専用となっていました。
↓ こちらは有田陶磁の里プラザ(有田焼卸団地)
閉店後に撮った写真のため、人々でにぎやかな雰囲気が伝えられず(-_-;)
豊富な食器類を目の前に「どう使おうかなぁ~」などと見て回っているとついつい写真も撮り忘れてしまいます・・・
中央の通りのテント内に美味しい物産品や雑貨などの出店が並び、両サイドには24店舗、店の外にもワゴンやかごに大量のやきもの類。
ここには800台収容の無料駐車場があります。多くの人が無料シャトルバスを利用し、メーンの有田駅周辺を往復していました。
↓ 普段の様子。世界最大の有田焼のショッピングモール、ゆっくり買い物を楽しむことができます。
そして、つい先日の4月末には文化庁より「日本のふるさと 肥前」が日本遺産に認定されるという嬉しいニュースがありました。
佐賀県・長崎県にまたがる8市町(有田町、伊万里市、波佐見町など)で構成され、窯跡や史跡、景観など文化財の他、独自の文化がつくられてきた歴史的ストーリーもポイントだったようです。
そして30年も前に先駆けて、有田の町内だけでなく、波佐見、三川内などと広域提携をとって地域ブランドのPRにと、「有田陶交会」会長として取り組まれていたのが、有田焼・青花ブランドで人気の、窯元「しん窯」社長の梶原茂弘さんです。
窯元の名の由来ですが、かつて有田町黒牟田にあった共同窯などでは対応しきれず、新しい登り窯を増築して、新窯、「しん窯」となったそうです。
今年2016年は、有田で日本磁器誕生・400年、しん窯築窯200年という節目の記念の年に、日本遺産認定!大変喜ばしいことです!(^^)!
地域一帯の今後のさらなる発展に期待大ですね!
↓こちらが、しん窯さん。
現在は工房内のガス窯で焼いていて、温度管理はコンピュータ。
↓ こちらの登り窯は今でも陶芸教室などで活躍しているそうです。
燃料の薪は油分が多いアカマツで、温度を上げるのに最適とのこと。ひとつの炉内にご飯茶碗だと300個も入るそうです。
そして敷地内の山の斜面、かつて共同の巨大な登り窯があった跡。段数、広さからして相当な大きさであったことが分かります。弊社所有の古伊万里の中にも、こちらにあった巨大窯で焼かれたものも数多くあることでしょう。
工房内見学もさせていただきました。
開放されているので誰でも見学できます。分かりやすい解説のもと、制作工程、絵付けの様子など間近で見ることができ、どんな質問にも丁寧に教えてくださいます。
ひとつのうつわが焼き上がり、商品となるまでの手間や職人さんの思いは、こうして見せていただきお話しを聞いてみないとなかなか知ることはできませんよね。とても楽しかったです(^-^) お客さんの絵付けなどの好みもあり、要望を取り入れ注文も受けているそうです。
しん窯さんのお皿、小鉢、マグカップなど毎日使用しているのですが、異人さんなどの可愛い絵柄と形、そして口に触れた時のフィット感(^-^) 。この感触の秘密は独自に開発した釉薬にもあるようですよ。
使うほどに質の良さを実感します。
屋外にもたくさんの掘り出しものが。
「ひとつひとつ揃えていきたいわね~」などの声とともに、会計のレジも途切れないほどのお客さん。盛り付けた料理を引き立たせてくれるのも青花ブランドの魅力ですよね ♪
カフェでいただいたコーヒーにプリンやケーキセットの、なんて美味しいこと!
可愛いおしゃれなうつわに盛り付けも美しく、味も本格的で、最高!!幸せな気分になります(*^_^*)
やはりうつわって大事ですよね~。
↓ しん窯さんの食器のほんの一部。
絵柄も形ももっと多種類あり、握りやすいマグカップや、すくい易いお皿などユニバーサルデザインの食器も手がけていらっしゃいます。
好天にも恵まれ、山の斜面の登り窯やレンガ造りの煙突がたち並ぶ景色の中で、心地いい空気を吸いながらやきもの里の風情を満喫することができました(*^^)v
有田にはたくさんの観光スポットがありますが、しん窯さんの工房見学もぜひお勧めします(*^_^*)
江戸初期、有田で磁器の原料となる陶石が発見され誕生した日本初の磁器。それは海外にも輸出され、王侯貴族たちをも魅了し、ヨーロッパ磁器に大きな影響を与えた肥前磁器。
400年の伝統と技術を受け継ぎながら、それぞれの窯元で現代の新たなものをつくり、次の100年に向けて進化を続けています。
佐賀・長崎にまたがる肥前窯業圏が日本遺産に認定されたいま、もっともっと多くの方々に知ってもらい、江戸から続く歴史の流れにも触れながら、毎日の暮らしの中で使っていただきたいと思います!